子どもに読ませたい漫画の感想、レビュー

3人の子を持つ漫画好きの父親が、これまでの読んだ1万冊以上の漫画の中から子どもに読ませたい漫画を紹介します。

赤ちゃん用の本が絵本から始まるように、文字だけでなく絵でも情報を伝えてくれる漫画は子どもが情報を吸収するためにはとても便利な媒体です。子どもに読ませたい(読ませたくないと思ったものも含め)漫画を感想・レビューとともに紹介します。
漫画の簡易評価をカテゴリとして整理していますので、お勧め漫画から見たい方はカテゴリもご参照ください。

  • お勧め度: ☆☆(名言がいっぱいです)
  • 対象年齢: 6歳以上(ゲーム好きなら入りやすい漫画)
  • 初発表年: 1989年
ダイの大冒険

あらすじ

かつて世界と人間は、強力な魔族である魔王ハドラー率いる魔王軍によって征服されようとしていた。しかし、勇者とその仲間たちによってハドラーは倒され、モンスターも魔王の支配から解き放たれ、世界に平和が訪れた。
それから十数年後。モンスターが平和に暮らす怪物の島「デルムリン島」で、勇者に憧れる、唯一モンスターでない少年ダイが、心優しい鬼面道士のブラスに育てられながら、ゴールデンメタルスライムのゴメちゃんを始めとする友達のモンスターたちと共に暮らしていた。
時に島に現れた悪い人間を撃退し、時にさらわれたゴメちゃんを助けに島を飛び出したりしながらも平和に暮らしていたが、ある日ゴメちゃんを除いた島のモンスターたちが凶暴化してしまい、ブラスから魔王の復活を聞かされる。狼狽するダイだったが、そこに勇者の家庭教師を名乗る謎の人物アバンとその弟子の魔法使いポップが現れ、島を結界で覆いモンスターたちを魔王の支配から救うと共に、ダイを弟子にして、秘められた力を開花させていく。
しかし、そこに復活したハドラーが現れ、アバンがかつて魔王を倒した勇者であること、自身がハドラーを超える力を持つ大魔王バーンの力で蘇り、再び地上を制圧するために新たな魔王軍が編成されたことを語り、アバンとその弟子たちを殺そうとする。
アバンは弟子を護るために自己犠牲呪文(メガンテ)を使うが、ハドラーは辛うじて生き残る。絶体絶命の窮地の前に、ダイの額に奇妙な紋様が浮かぶと、謎の力が解放されてハドラーを撃退した。その後、アバンの遺志を継いだダイは、ポップと共に大魔王を倒すことを決意し、デルムリン島から旅立っていく。

ゲーム ドラゴンクエストの世界

「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」はRPGゲームの大ヒットシリーズ「ドラゴンクエスト」の世界観を背景にした漫画です。ドラゴンクエスト4の発売に合わせたメディアミックス戦略の一つだったとか。

世界観を背景にしていると入っても、魔王を倒すといった冒険の目的や共通した魔法が出てくる程度で、ストーリー自体はまったくオリジナルです。オリジナルシリーズが大好きだった少年時代、リアルタイムでこの漫画を読んでいたときには「ドラゴンクエストって言ってる癖に、全然ゲームと関係ないし、闘気とか魔法力とかってなんだよ」と食わず嫌いの漫画だったんですが...いやいや、これも名作です。

ポップ

ポップがいい!

「ダイの大冒険」は、そのタイトルどおりメインの主人公は勇者ダイです。正義感が強く、前向きで、能力も強い、誰もがあこがれる勇者。でも、実はダイのパートナーでもあるポップが主人公ともいえるくらい、ポップがいいです。

初登場時のポップは自尊心だけが強いへたれで自己中心的で、修行からも敵からもすぐに逃げ出し、子ども心に「なんでこんなだめ人間が主人公チームにいるんだろう」と思ったものでした。でも、そんなポップが冒険を通じて成長していきます。精神的にも魔法の能力的にも。

成長してからも迷い続けるポップですが、このポップって僕らのような一般人の代表なんですね。ポップという名前も通俗とか大衆という意味のpopがその由来だそう。一般人でも勇気を振り絞って困難に立ち向かうことで成長できることを教えてくれる気がします。

wikipediaによると、連載当初は編集部から「こいついらないから、早く殺せよ」とまで言われていたキャラのようですが、最後まで読むとポップの成長がこの漫画一番の見所だと思います。悩みつつ成長していくポップの周りには名言もたくさんですし。

ポップのキャラクターは最近の漫画で言うと、ワンピースのウソップ見たいといえばわかるでしょうか。超人だらけの中、普通の人が成長していくんです。

敵も成長します

もちろんポップだけでなく、ダイやヒュンケル、マアムといった主人公チームにみんなが成長していきます。でも、成長するのは主人公チームだけじゃないんです。

偽勇者として詐欺を働いていたチームも出てくるのですが、この偽勇者たちですら成長しますし、特にマゾッホという魔法使いはポップの成長に欠かせません。

さらにさらに、適役の魔王ハドラーまでもが勇者たちと切磋琢磨する中で成長していきます。ダイの大冒険はキャラクターたちの成長の物語なんです。

アバンストラッシュ

技がいい!

あと、忘れてはいけないのが技。子どもにとってはちょっと特徴がありつつも簡単に真似できる技がいいです。「アバンストラッシュ」「大地斬」「地雷閃」など、傘や物差し、ほうきを振り回して起こられたのも良い思いでです。

魔法にもオリジナルの魔法が多いですが、中には後にゲームで採用された魔法もあります。かつての僕のように、ドラクエのゲームシリシーズ原理主義者には受け入れがたい点もあるかもしれませんが、いい漫画です!



  • お勧め度: ☆☆☆☆(もう…)
  • 対象年齢: 6歳以上(スポーツやっている子には必須)
  • 初発表年: 1990年
SLAM DUNK

あらすじ

神奈川県立湘北高校に入学した赤い髪の不良少年・桜木花道は、188㎝の長身と抜群の身体能力を見そめられ、バスケットボール部主将・赤木剛憲の妹である晴子にバスケット部への入部を薦められる。晴子に一目惚れした花道は、バスケットボールの全くの初心者であるにもかかわらず、彼女目当てに入部。その後、地道な練習や試合を通じて徐々にバスケットの面白さに目覚め、その才能の芽を急速に開花させる。湘北バスケ部には、監督である安西光義のもと、主将の赤木剛憲と副主将の木暮公延らに加え、スーパールーキーといわれる流川楓らが加入。さらに、前年度のインターハイ県予選ベスト4である陵南高校との練習試合後には、暴力事件を起こして入院をしていた宮城リョータや、バスケ部から離れていた三井寿も復帰する。
夏のインターハイ制覇を目指す湘北は神奈川県予選を順調に勝ち進み、決勝リーグへの進出を懸けてインターハイ常連校の翔陽高校と対戦し勝利する。続く決勝リーグの初戦で「神奈川の王者」といわれる強豪校・海南大附属高校と激戦を繰り広げるも、惜敗。続いて前年度のインターハイ県予選ベスト4である武里高校と宿敵の陵南を破り準優勝。優勝した海南大附属とともにインターハイ出場を果たす。
広島県で行われるインターハイ[8][9]のトーナメント1回戦で、湘北は大阪府代表校の豊玉高校と対戦し、勝利。2回戦では、前年度までのインターハイで3連覇を果たした秋田県代表校の山王工業高校と対戦する。一時は20点以上の差をつけられるが、驚異的な粘りで反撃する。花道は負傷した背中の痛みに耐えながらプレーを続け、試合終了間際のジャンプシュートによる決勝点で湘北を逆転勝利に導く。しかし、全てを出し切った湘北は、続く3回戦で愛知県代表校の愛和学院高校との対戦で、ウソのようにボロ負けした。
インターハイ後、3年生の赤木と木暮が引退。新キャプテンに宮城リョータが就任し、赤木晴子を新たにマネージャーとして迎えるなど、チームは冬の選抜に向けて新体制となる。流川は全日本ジュニアの代表に選ばれる。花道はリハビリを続けながら、再びコートに立てる時を待つ。

時代を感じる面もありますが

スポーツ漫画を語る上で、「SLAM DUNK」は欠かせないんじゃないでしょうか。四半世紀前の作品なので、今読むと、時代を感じさせる描写もありますが、後世に語り継ぎたい漫画のひとつです。

小5次男の担任もスラムダンクのファンのようで、先生の私物だというスラムダンクが学級文庫の一角を占めていました。ああやって子どもたちを洗脳するのもいいですねぇ…

魅力的なキャラクターたち

主人公の桜木花道は少年漫画の主人公にありがちな熱血単純馬鹿ですが、それがまた心地よい熱さです。

チームプレーを行うバスケットボールが主題なので、チームメイトのキャラクターもしっかり立っています。個性豊かな5人のチームメイトそれぞれにエピソードがあり、シューターの三井君周りのエピソードなど、名シーンにあふれています。

もちろん敵チームも魅力的で印象的で、何度読み返しても楽しめます。いろいろな名場面を書きたくもありますが…ネタばれ禁止を課しているので控えさせていただきます。

バスケットボールのスピード感

絵もいいです。バスケットボールの狭いコートの中で繰り広げられるスピードある展開や緊迫感が伝わってきます。この緊迫感は同じ作者のバガボンドでより進化しています。

少年漫画というよりは劇画調に近い絵柄ですが、この絵柄もまた、。ベネッセの宣伝漫画のように苦手な人は少ないのではないでしょうか。

スポーツの魅力

スラムダンクを通じて、何よりも伝わってくるのがスポーツの魅力だと思います。スポーツの魅力を伝える漫画だからこそ、バスケットボールブームを巻き起こしたのでしょう。

勝利に向かって努力していく苦しさ、努力の先にある壁を乗り越えることができたときの充実感。勝利の喜び。負けたけれどすべて出し切ったときの充実感。スポーツそのものを楽しむこと…バスケットボールに限らず、スポーツに取り組むすべての子どもたちに読んでほしいです。

さらにスラムダンクはチームスポーツの魅力でもある、いろいろな考え方や育ち方をしてバックグラウンドも違う仲間たちが、ひとつのチームとしてひとつになっていく魅力も描ききっています。いや、ホント、名作です!


未読の方、これからこの漫画を知ることができるなんて、幸せです!

  • お勧め度: ☆(もやもやが残るかも)
  • 対象年齢: 10歳以上(ダークファンタジーです)
  • 初発表年: 2014年
ILLEGAL RARE

あらすじ

違法希少種(イリーガル・レア)と呼ばれるもその珍しさゆえに狩りの対象になり更に珍しくなっていく幻獣たち。彼らを守るため警察内に希少種犯罪対策課が発足。治安の悪い犯罪都市・スカァシティを舞台に黒吸血鬼・アクセルが躍動する。

西洋の妖怪たち

同じ作者の「ぬらりひょんの孫」は日本の妖怪をベースにした物語でしたが、「ILLEGAL RARE」は西洋の妖怪をベースとした物語(幻獣と呼ばれてますが)。また、前作がやくざ組織を舞台としたものでしたが、こちらは警察を舞台にしたものと、前作と違うアプローチで書こうとした作品のようです。

残念ながら打ち切り

前作の序盤同様、「ILLEGAL RARE」も結構面白いなぁと読んでいたんですが、残念ながら4巻で数々の謎を残したまま打ち切りになってしまいました。

吸血鬼ハンターDじゃないですが、妖怪たち(幻獣でしたっけ)とそれを狩るハンターたちの戦いというのはテーマとして面白いと思うのですが、この漫画も何か一歩足りなかったのでしょう。見所であるはずのバトルは吸血鬼が強すぎるし、黒幕が組織内にいるというありがちなパターンでスモンね...

週刊誌での漫画連載というのはなかなかシビアなものです。できれば、もう1巻分くらいがんばって書いてもらって、もうちょっときれいに終わらせてほしかったんですが。

最大の謎、フクメン

妖怪たちが違法希少種と呼ばれ、狩りや収集の対象となっている世の中。そういった行為を違法とし、自然保護官的に保護活動を行う集団が主人公たちが属する希少種犯罪対策課です。

さまざまな生物を絶滅に追いやってきた人類へのアンチテーゼなんでしょうか。保護活動を行う犯罪対策課の中に、人間が一人しかおらず、妖怪たち(幻獣でしたっけ)自らが警察権力を傘に実力行使しようというのが不思議な感じです。

課長であるフクメンの正体が明らかになれば、このあたりの謎も解決するんでしょうが、謎を謎のまま打ち切りになってしまったので正解はわからずじまいです。

最強の幻獣:吸血鬼

まぁ、でも、吸血鬼という種族が最強の幻獣として描かれていて、実際、段違いに強いのは、強い妖怪が好きな人には爽快です。やり方がえげつなく、ダークファンタジーではありますが、悪が裁かれるのはスカッとします。

青とか赤とか緑とかいろんな色の吸血鬼がいたようなので、それぞれの能力の違いや本当はどんな展開にしたかったのかも気になります。


そんなこんなで、少々もやもや感も残りますが、西洋妖怪好きなら一度読んでも損はないかも。

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