• お勧め度: ☆☆☆(考えさせられる話)
  • 対象年齢: 10歳以上(残虐表現があるので相手を選びます)
  • 初発表年: 2011年

第2部が「東京喰種トーキョーグール:re」として出ていますが、とりあえずは第一部のみで評価。

東京喰種

あらすじ

人間社会に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人「喰種」が蔓延する東京。上井大学に通う青年カネキは喰種・リゼに襲われ瀕死となるが、直後起こった鉄骨の落下により捕食を免れる。しかしその後、彼女の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる。

正義とは

食べるために人間を襲うグールと、人間を守るために戦う捜査官。人間だったカネキが、人肉しか食べられないグールになってしまい、人間にもグールにも、守るべき家族や仲間がいることを知って葛藤する物語です。

世の中、大抵のことは一面からでは全体像を知ることが出来ず、多面的に見なければいけません。カネキは人間とグールの両面を知る唯一の人物(物語り当初は)として葛藤します。

アヘン戦争とかアロー戦争とか、中には無茶苦茶なものもありますが、たいていの戦争はどちらにも、それぞれが信じる正義や正当な理由があります。一方的な見方だけでは駄目だということを学んでほしい漫画です。

勢いのある戦闘描写と残虐性

戦闘シーンに勢いがあり、とても読みやすいこともこの漫画の魅力のひとつです。

ただ、人間に対するグールという種族が人肉を食べなければ生きていけないという設定や、戦闘の目的が命の奪い合いなってしまうことから、残虐描写やグロテスクなシーンもかなり多くなっています。

それもまた世の中の一面ではあるのですが、小さな子にはあまり見せたくない漫画ですし、小学校高学年以上でも、その子の性格によっては見せないほうが良いかもしれません。

主人公には救われてほしい

人間でもあり、グールでもあるカネキには、人間の側にもグールの側にも守りたいものがあります。悩みながら戦いながら、カネキは物語の中で驚くほど成長していきます。

第一部の終了ではカネキは救われませんでした。でも、尻切れでまだ先がある終わり方です。続編も出ていますので、願わくばカネキが精神的に救われますように。