• お勧め度: ☆☆☆(名作!)
  • 対象年齢: 10歳以上(幸せなだけの世界を卒業してから)
  • 初発表年: 1990年
pingpong

概要

ペコとスマイルは、片瀬高校卓球部に所属する幼馴染。ペコは卓球が強いが自分の才能に自惚れているところがあり、先輩に対しても挑発的である。スマイルは、決して笑わないことからペコが「スマイル」と渾名した。内気で無口だが卓球は強い。
2人は中国人留学生を迎えたと噂になっている辻堂学園高校卓球部の偵察に出かけ、留学生のチャイナと対面する。チャイナと試合をしたペコは1点も獲れずに敗北する。
そのころ片瀬高に、髪も眉毛も剃りあげたスキンヘッドの高校生がスマイルを偵察するため参上する。ドラゴンと呼ばれる海王学園高校卓球部の風間竜一である。片瀬高卓球部顧問の小泉丈(バタフライジョー)にドラゴンは、絶対にインターハイで優勝すると宣言する。
そしてインターハイが開幕した。

絵が好きでなかったのですが

スピリッツに連載されているときにも、コミックの表紙を見たときにも、絵柄があまり好みでなかったので手が伸びなかった漫画でした。

きっかけは、長男が中学校に入って卓球に取り組み始めたこと。卓球漫画自体がそもそも数があまりないのですが、その少ない中でも、「ピンポン」はとても評価の高い漫画でした。実際に手にとって見ると...もっと早く読みたかったかも。

題材は卓球ですが中身は人生

「ピンポン」の題材は卓球ですが、いわゆるスポーツ漫画とは違います。卓球が個人技だからか、某漫画雑誌でいう「努力、友情、勝利」の「友情」はほとんどありません。

登場人物はそれぞれが壁にぶつかり、悩み、乗り越えようとしたり、違う道を探したりして次のステップへと進んでいきます。なんかもう、人生そのものです

努力は...

この漫画で子ども達に読み取ってほしいのは、「努力は報われないかもしれないけれど、努力しなければ絶対に報われない」こと。

努力をしなかったペコは努力したアクマに負けましたた。けれども、奮起して努力したペコはアクマに勝ち、それどころか、スマイルやドラゴンなど同世代の子をすべて追い抜いていきます。

アクマは努力の総量としてはペコよりも断然多く、時間も質もかけていたと思います。でも、才能あふれるペコが努力を始めたらとてもかないませんでした。残念ですが、努力は常に報われるわけではないんです。

一方、ペコを中心に見ると、才能があっても、努力をしなければ勝つことはできません。努力なくては才能が花開くことはないんです。


ピンポン(1) (ビッグコミックス)

映画も良かった

漫画の評価とは異なりますが、実写映画も良かったです。バタフライジョーもオババもペコもスマイルもドラゴンも。未見の方は是非。

ピンポン
窪塚洋介
2013-11-26