- お勧め度: ☆☆☆(完成されたスポーツ漫画)
- 対象年齢: 6歳以上(ちりばめられた逆の中には低学年向きが多い気がする)
- 初発表年: 2002年
あらすじ
私立泥門(でいもん)高等学校に通う気弱な高校生、小早川瀬那は入学早々ひょんなことから泥門高校アメフト部「泥門デビルバッツ」に主務として入ることになった。その帰り道、彼をパシリにしていた不良たちに絡まれ、逃れるために泥門駅まで爆走して駆け込み乗車をした。それを目撃したアメフト部主将 ヒル魔に翌日強制的に選手にされ、唯一の取り柄である俊足で選手登録名「アイシールド21」として春大会を戦うことになる。
初戦は助っ人を多数借りながら勝ったものの、次の試合には強豪「王城ホワイトナイツ」に敗れてしまう。しかしセナは、最強のラインバッカーである進に、心の底から勝ちたいと思い始める。元野球部のモン太を加えて「賊学カメレオンズ」に大勝し、さらに新メンバー雪光、小結、ハァハァ3兄弟(十文字・黒木・戸叶)も加わって「太陽スフィンクス」と引き分けるが、「NASAエイリアンズ」に惜敗。
その後、アメリカに連れてこられたデビルバッツメンバーは、そこで前身「麻黄デビルバッツ」時代のトレーナーどぶろくと会い、強化プログラム「死の行軍(デスマーチ)」で特訓を行う。途中、瀧兄妹と知り合いながらも脱落者0で完走。秋季東京大会を勝ち上がり、そして全国大会決勝(クリスマスボウル)出場を仲間達と共に目指していく。
数少ないアメフト漫画
アメリカンフットボールという日本ではどちらかというとマイナーな競技をネタにした漫画。この漫画をきっかけに高校ラグビー人口が倍増したとか。(アメフト漫画は古くは「フットボール鷹」や「ノーハドル」があるけど、ほかには知りません)
マイナー競技ということもあってか、試合のルールも丁寧に紹介されています。もちろん、ルールがわからなくてもキャラクターとストーリーを追いかけるだけで十分楽しめる漫画です。

走りだけが得意な主人公の成長物語
気が弱く、パシリをさせられていたために、人ごみをよけながら走ることだけが得意なセナが、半ば強引にアメフト部に入部するこっとになり、その走りで活躍することに。
自分たちよりも肉体的・精神的に強い人、努力を怠らない人、夢をあきらめない人たちとのやり取りを通じて、気弱だったセナが精神的にも肉体的にも成長していきます。
手に汗握る逆転劇
本来、オフェンスとディフェンスで選手を分けるのがアメリカンフットボールですが、主人公がいる人数の少ない泥門高校ではそんな余裕はありません。
試合相手は、正直、どこも格上ばかりです。毎試合毎試合、壁にぶつかりながらも、QBヒルマの戦術なども含めなんとか相手に打ち勝つ中で成長していきます。
毎度毎度、相手が試合の終盤で失速してしまい、大逆転をするのである意味ワンパターンなのですが...それでも、どうやって壁を乗り越えていくのか、どう逆転するのか手に汗握ります。
ちりばめられたコメディも
ストーリーだけを追ってしまうと、シリアスな熱烈スポコン漫画になってとっつきにくくなりそうなのですが、「アイシールド21」では、ところどころにちりばめられたコメディ要素が和らげてくれます。コメディ要素の中には、シモネタ(エッチなネタじゃないほう)も多く、そのあたりも小学生男児にはたまらないかも。
努力は無駄じゃない
週間少年ジャンプの三大原則ともいわれる「努力」「友情」「勝利」を見事に表した漫画で、これは無理だろうと思う壁(敵)も「努力」「友情」で乗り越え、「勝利」していきます。
努力しない天才は負けていったり。。。努力は無駄ではないということを教えてくれる漫画です。これから壁にぶつかるであろう子どもにも、今、壁にぶつかってしまっているであろう大人にもお勧めしたい漫画です。