• お勧め度: ☆☆(最後まで読まないとわからない)
  • 対象年齢: 10歳以上(初見では複雑すぎる気も)
  • 初発表年: 1997年
からくりサーカス

概要

基3人の主人公達が数奇な運命をたどりながら物語は進行していく。拳法家の青年と人形遣いの女が、莫大な遺産を相続し兄弟親族から狙われた少年を守るころで幕が上がる。そして青年との別れをきっかけに2つのの物語が動きだす。片や潰れかけのサーカスに身を置き、片や人類に仇なすからくり人形との闘いに巻き込まれていく。全く異なる2つの物語は時に交錯しながら、一人の黒幕の影を明るく照らすように一つに収束していく。
藤田和日郎の長編第2作である冒険活劇。作者の前作『うしおととら』を上回る複雑なプロットや展開、勝らずとも劣らない強烈なバイオレンス描写とアクション、前作にはあまり見かけられなかった恋愛要素も盛り込んでいるのが特徴。戦闘シーンにおいて細かく書き込まれたからくり人形の破片が飛び散る演出は大きな特徴の一つである。
前作同様、物語を最初から見ないと話の筋をほとんど理解できない。その原因として、 ・全ての事件の発端が200年前に起こり、そこから現代に至るまでのエピソードが多くの登場人物の視点で描かれている ・過去のエピソードが現代におけるストーリーが進行するにつれて徐々に明らかになっていく ・それは必ずしも時系列通りではない などが挙げられる。過去のエピソードにまつわる手掛かりは物語各所に散りばめられており、一つの歯車でもかけたら動かなくなるからくり人形のごとく極めて複雑な構成となっている。その複雑なストーリーの描写やアクション描写などから高い人気を誇る。

中盤までがしんどい

「からくりサーカス」は話の筋がかなり複雑です。登場人物も、あるキャラクターが別のキャラクターと同一人物だったり、あるキャラクターが別のあるキャラクターと同じ系譜(生まれ変わり)だったり。

軽い気持ちで流し読みしようとすると、話の筋を追うことすら厳しく、途中で読むのをあきらめてしまいそうになります。初見では中盤までは苦行に近いかもしれません。

最後まで読むと読み返したくなる

でも、終盤になるとどんどん広げられていった複線が一枚の布へと形を変えていきます。あのときの話がここに...と驚きの連続。そして、最後まで読むと、もう一度読み返したくなる漫画です。

この漫画...43巻にもなる長編を週間連載していたんですよね。漫画はコミック派なので雑誌は買わないのですが、当時、サンデーを読んでいた人は追いきれたのでしょうか。

一度わかると面白い

一度わかると面白いです。Amazonなんかのレビューで高評価がついているのもわかります。熱いまっすくは台詞がちりばめられていて、前を向いて生きなくてはという思いももらえます。

バトル漫画の宿命で戦いに敗れて死んでしまうキャラクターも多いのですが、最期の姿がみんな力を出し切ってやりきって笑いながら、残った人のことを心配しながらで...泣けます。

エンディングも最期、みんなが笑顔で迎えられるのも良かった。わかるまでが大変ですが、わかってしまえば面白いです。

うちの子は、小五の次男も何度か読んでいます。でも、次男曰く同じ作者なら「うしおととら」の方が面白いそう(^^;;;