- お勧め度: ☆☆(漫画は漫画で良い)
- 対象年齢: 10歳以上(残酷描写もあるので)
- 初発表年: 2013年
あらすじ
大陸公路の強国「パルス」の若き王子・アルスラーン。永遠と思われた国の栄華が終わりを告げた時、すべての運命が変わる!! 荒川 弘×田中芳樹の最強タッグで描く、世界最高の歴史ファンタジー、最新作!

原作は名作
田中芳樹氏の書く中世中東をモチーフにしたファンタジー小説「アルスラーン戦記」。原作は30年以上の時をかけて15巻まで発行され、まだ完結していません。
遅筆で有名な田中芳樹氏なので、原作がいつまで続くのか、はたまたグイン・サーガのように未完で終わるのかはわかりません。20年以上前、新刊が出るのをワクワク楽しみに待っていた名作です。
もったいないような…でも良い
漫画版を書かれている荒川弘氏は、鋼の錬金術で見事なファンタジー世界を見せてくれました。
原作付の漫画を書くのはもったいないような、荒川ワールドを見せてほしかったような気もするのですが、それでもこの「アルスラーン戦記」は良いです。
同じ原作者で同じように漫画版が始まった「創○伝」がかなり残念な出来なのですが、荒川版「アルスラーン戦記」はがっかりさせません。ストーリーは知っているはずなのですが、漫画は漫画として四半世紀以上前にワクワクと読んだあの気持ちを違和感なく思い出させてくれます。
残酷描写もあるのでご注意を
ただ、「戦記」とタイトルにあるとおり、権力争いや領地争いといった戦争とともにストーリーが進んでいきます。中には捕虜の拷問もありますし、死んでいく人もたくさんいます。あまり小さい子に読ませるのには向かない気がします。
うちの子達は
親と違い、漫画から興味を持ち、うちの子たちも小説版を読むようになりました。漫画しか読まないような小学五年生まで、小説の世界に引きずり込むことに成功したのです。
荒川版の漫画の面白さと、田中芳樹版の小説(特に序盤)の面白さの賜物だと思います。
漫画はどこまでやるんでしょうね
だた、気になるのはどこまで漫画で連載するのかです。原作については、今となっては、なかなか出ないし、しかも出たと思った新刊はキャラクターの性格が変わっていたりして、かなり残念な出来だっただけに...切りの良い王都奪還までで終わらせてほしいなぁ。