• お勧め度: ☆☆☆(正義はひとつじゃない)
  • 対象年齢: 6歳以上(ファンタジーとしても楽しめる)
  • 初発表年: 2009年
MAGI

概要

『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)から移籍してきた大高の移籍後初の作品。『千夜一夜物語』をモチーフにした冒険活劇で、登場人物の名前の一部も『千夜一夜物語』から採られている。話数カウントは「第○夜」。第59回(平成25年度)小学館漫画賞少年向け部門受賞。
テレビアニメ第1期が2012年10月から2013年3月に、第2期が2013年10月より2014年3月に放送。

冒険物語

創世の魔法使い「マギ」と呼ばれる無邪気で争いを好まないけれど強力な魔法を使える少年アラジンと、元は王族で誰かのために命をも投げ出せる心優しい少年アリババを中心とした冒険物語です。

冒険のスケールが大きく、世界を巻き込んだ大戦や世界そのものの成り立ちの謎に立ち向かっていったりします。スケールが大きく、急展開も多いのでなかなか先が読めない漫画です。

魅力的な世界観

人間だけでないさまざまな種族がいたり、さまざまな文化を持つ国があったり、魔法やルフ、金属器、眷属器などの設定といった魔法道具が出てきたり、多様な世界が表現されています。

それぞれの登場人物、それぞれの国にいろいろな思惑があり、思惑によって世界情勢が変わっていきます。少年の心を捉えるファンタジー要素と時間とともに移り変わる世界情勢がとても魅力的です。

正義は一つだけでない

少年漫画では、正しい人は常に正しく、敵役は常に誤っているパターンが多いのですが、マギの世界では違います。味方(だと思っていた人)や敵(だと思っていた人)のそれぞれに、それぞれが信じる正義やそれぞれの行動に理由があって、そのベクトルが違うために争いが起きてしまいます。

主人公二人はどちらも間違っていないとわかりながら、解を探そうとしています。実際の世の中でも、正解なんてないことのほうが多いので、どう収束していくのか楽しみです(30巻まで読んでいます)。

残酷描写にはご注意を

アラジンやアリババといった主人公の明るいキャラクターや優しいキャラクターに救われたり、所々入ってくるギャグ展開で救われるところはあるのですが、ここまでのところ、物語の底辺に流れる物語はかなり暗いものです。

暗さを際立たせるためなのか、時々、かなりの残酷描写が入ることもあります。テレビアニメでは修正されていたようですが、小さな子には見せたくないと思う方もいらっしゃるかもしれません。

総じて…

今のところは面白く、我が家の息子二人も、毎週の連載を楽しみに読んでいます。

いよいよ終盤に入ってきているようなので、これからどう収束していくのか楽しみな漫画です。終わり方しだいでは、評価が大きく変わるかもしれませんが。