• お勧め度: ☆☆(話題になるだけ面白い)
  • 対象年齢: 10歳以上(ゲーム好きならもっと低年齢でも)
  • 初発表年: 2014年
ダンジョン飯表紙

あらすじ

ある日、とある墓地の壁から地下へと延びる巨大な空洞が現れた。そこから現れた一人の朽ちかけた男は、一千年の昔に滅亡したはずの黄金の王国の王と名乗り、王国は魔術師によって地下に囚われ続けているため、元凶である魔術師を討伐した者には国の全てを与えると言い残し、その体を塵のように散らせて事切れた。その言葉に魅かれ、この突如現れた魔物ひしめくダンジョンを踏破しようと、多くの冒険者が乗り込む時代が幕を開けた。
主人公であるライオス一行は、ダンジョンの深層にてレッドドラゴンに挑むも、空腹からチームプレイに乱れが生じて壊滅状態となり、ライオスの妹ファリンはライオスをかばい、ドラゴンの餌食となってしまう。彼女が最後に使った脱出魔法の力で、一行は辛くも迷宮から脱出したものの、装備品以外の所持金もアイテムも失ってしまった。金銭的な問題から仲間の2人、ナマリとシュローは他に職を求め離脱、リーダーのライオス、残留した魔法使いのマルシル、鍵師のチルチャックの3人は、ダンジョン内では死亡して遺体が損傷していても、肉体を補修する蘇生の魔術を施せば生き返ることが可能なため、ファリンが完全に消化される前に救出すべく、ダンジョンに戻ることにする。
しかし、金銭・食料・仲間などの不足はいかんともしがたく、ライオスはダンジョン内で食料を調達しながらの踏破と、その手段としてモンスター(魔物)を食べることを提案。さっそく大サソリを捕まえて調理してみるが、調理法を知らずに酷い目にあう。そこへ魔物食に一家言をもつセンシが現れ、見事な手際で大サソリを歩き茸・スライムと合わせて水炊きに調理し、ライオスたちに振る舞う。意外な美味に驚く一行。
ライオスたちの目的を聞いたセンシは、レッドドラゴンを調理することは長い間の夢だと語り、意気投合。襲い来る凶暴なモンスターを倒し、調理し、食べながらのダンジョン踏破行が始まった。

新感覚グルメ漫画

架空の世界で、架空の世界のゲテモノ喰いをするという新手のグルメ漫画。というかコメディ漫画ですかね。

「このマンガがすごい!2016・オトコ編1位」「全国書店員が選んだマンガランキング2016・第1位」など、漫画賞をいろいろ受賞しているので手にとって見ましたが、確かに面白いです。

どこからこんな発想が?

ダンジョンに暮らす魔物を料理しようだなんて、どこからこんな発想が出てきたのか脱帽物です。あ、ジャンプに連載中の「トリコ」も近い漫画でしたっけ。でも、あちらはどちらかと言うとバトル漫画で料理は二の次。「ダンジョン飯」では料理が主体です。

とはいえ、架空の魔物を料理するので、多くの料理漫画で期待できるような、実際の料理に使える知識はゼロです。でも、魔物の倒し方や下ごしらえの仕方など、どれも考えられていて面白いです。中でも感心したのは動く鎧。鎧なんて食べるところないだろうと思っていたのに、こんな落ちですか。納得してしまいました(ネタばれになるので、詳細は書きません)

ダンジョン好きにはたまらない

小学生時代にパソコンゲームウィザードリーにはまり、高校時代にD&Dにはまってさいころ振っていた私としては、この漫画、たまりません。もちろん、もっとライトにドラクエを楽しんでいた人にも楽しめます。一般的(?)な魔物が多いので、うちの息子たちも楽しんで読んでますので。

まだまだ連載中なので、これからどんな魔物を料理していくのか楽しみです。

ダンジョン飯

気になるのは...

漫画の世界、しかもファンタジーの世界なので細かいことを言ってはいけませんが、気になるのは主人公ライオスの妹ファリンが復活できるかどうか。うちで飼っている蛇でも数日で消化しているようなんですが、ドラゴンに飲み込まれて消化されるまでどのくらいなのやら。


話題になるだけあって面白い本です。未読の方はぜひ。ゲーム好きのお子さんが、漫画とはいえ本を手に取るきっかけになるかもしれません。