- お勧め度: ☆☆(終盤が残念でしたが…)
- 対象年齢: 6歳以上(小学生向き)
- 初発表年: 2008年

あらすじ
世は「美食」が世界的流行となっている「グルメ時代」。世界中に未知の食材が溢れ、一つの食材に億単位の大金が動くことも珍しくない。国際グルメ機関IGOを通し、ホテルグルメの若き料理長・小松は、未開の味を探求し、自分の「人生のフルコース」の完成を夢とする美食屋・トリコにガララワニの捕獲を依頼する。トリコの狩りに同行した小松はその姿に感動し、以降はトリコとその仲間、美食屋四天王の狩りに同伴することに。しかし、そんな彼らに危険な秘境に生息する凶暴な猛獣や世界中の食材の独占を狙いIGOと対立する組織・美食會が襲い掛かり、目的の食材を巡って激しい戦いが繰り広げられる。
IGO会長一龍は、グルメ界に眠る伝説の食材GODをはじめとする美食神アカシアのフルコースの目覚めが近づき、GODの奪い合いで起こる戦争を阻止するべく、トリコにグルメ界の過酷な環境に適応する修行として七つの食材の捕獲を依頼。トリコは四天王、小松達と共にこれらの食材を捕獲し、グルメ界に適応する実力をつけていく。
IGOと美食會の争いは激化の一途を辿り、死闘の果てにトリコは戦闘不能に陥り、小松は美食會に拉致され、一龍は美食會のボス・三虎に敗れ命を落とす。三虎の放ったメテオスパイスによって人間界は壊滅。グルメ時代は終わりを告げ、IGO、美食會も第三勢力NEOの登場で大打撃を受ける。
戦いが終わり、復活したトリコは単身グルメ界に乗り込み、1年半かけて美食會から小松を連れ戻す。そして一龍が遺した無限に食べられる食材ビリオンバードを復活させ、グルメ時代を復興させるべくトリコ達はアカシアのフルコースを求めて本格的にグルメ界へと旅立つ。
連載終了
2016年11月21日にこの記事を書いているのですが、今日発売のJUMPでトリコが完結となりました。8年もの連載、お疲れ様でした。少年漫画らしい少年漫画が終わってしまいました。完結を記念して、2016年12月5日までは、Kindle版のトリコ6冊が【期間限定無料】 です。
男児の好きな要素が満載
トリコには、筋肉ムキムキの主人公に、駄洒落満載の食材(モンスターなど)、気持ち悪い敵キャラ、グルメ漫画のオーバーな表現、四天王や伝説の食材といった世界観、宝探し要素にバトル要素にギャグ要素と男児の好きな展開がてんこ盛りです。
敵がどんどん巨大化していって、地球を何週する大きさだとか…はては宇宙にまで飛び出していくという子どもが考え出しそうな強さのインフレも、大人の目からは大丈夫なのかと心配になりますが、子供が考えそうな世界なだけに子供受けもよいのでしょう。
終盤は残念ですが
ただ、トリコは終盤が残念でした。連載終了の日が決まっていたからなのか、コミックスの37巻くらいからは物語の展開についていけなくなってしまいました。
いろいろなことを書きたかったのでしょうが、あちこちで同時進行していく物語が追いきれず、話が飛びまくるし展開が急に変わるし、インフレが行き過ぎてバトルが崩壊しつつあるし…終盤はもっとじっくりと書いてほしかったと、そこだけが残念です。
食育にも?
トリコの食材への感謝や食べ物への興味については、食育の効果も期待できるでしょう。トリコの世界では必要な分しか命を奪いません。そして、奪った命は感謝をこめて「いただきます」の言葉とともにいただきます。
この「いただきます」という言葉は、日本語に独特の表現で、食材や食に携わった人々への感謝の言葉。何気ない挨拶ですが大事にしていきたい言葉です。