• お勧め度: ☆☆(歴史の解釈は自由だ)
  • 対象年齢: 10歳以上(中学生以上に向いている)
  • 初発表年: 2004年
センゴク

あらすじ

時は戦国時代、稲葉山城の戦いで美濃・斎藤家の家臣だった仙石権兵衛秀久は織田信長に捕らえられ、その部下として織田家中に迎え入れられる。
合戦に明け暮れる過酷な日々の中で権兵衛は、織田信長・羽柴秀吉ら戦国時代の英傑たちの下で失敗と挽回を繰り返しながら成長してゆく。
第1部「センゴク」
美濃・斎藤家家臣仙石権兵衛秀久(十五)は美濃を征服した尾張国主・織田弾正忠信長に見出され、その家臣・木下藤吉郎秀吉の寄騎となる。怒涛の勢いで勢力を広げる織田家に危機感を抱いた諸大名の信長包囲網の中、権兵衛は数々の死闘を潜り抜ける。1567年の稲葉山城の戦いから金ヶ崎の退き口、姉川の戦い、比叡山焼き討ち、三方ヶ原の戦い、一乗谷城の戦いを経て、1574年の小谷城の戦いによる浅井家の滅亡までが描かれる。全15巻。
第2部「センゴク 天正記」
小谷城攻略の功績により大名に取り立てられた秀吉と共に権兵衛(二十二)も一千石の領地を預かる領主となり、家臣団を組織する立場となった。一指揮官としての成長を迫られながら、未だ続く信長包囲網を戦い抜く。1574年の長島一向一揆から長篠の戦い、雑賀攻め、手取川の戦い、中国攻め、甲州征伐による武田家滅亡までが描かれる。全15巻。
第3部「センゴク 一統記」
1582年、中国遠征を続ける秀吉の備中攻めより物語は始まる。天下統一を目前とした織田家は本能寺の変により衰退の一途を辿ることになる。一つの時代が終わりを迎え、新たなる時代の始まりを迎える。高松城水攻め、本能寺の変、中国大返しと山崎の戦い、清洲会議、引田の戦い、賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦いまでを描く。全15巻。
第4部「センゴク権兵衛」
1584年の九州から物語は始まる。沖田畷の戦いにより龍造寺の衰退が始まり、島津家は九州統一まであと一歩と迫っていた。一方、淡路国の大名となった権兵衛(三十四)は長宗我部の抑えとして役割を果たしていた。

マイナーな主人公

戦国時代といえば様々な武将が群雄割拠し、幕末と並んで歴史好きの心をつかんで離さない血沸き肉踊る時代。そんな戦国時代をネタにした漫画は数ありますが、センゴクは仙石権兵衛秀久という比較的マイナーな武将を主役にしています。

コーエーのゲーム「信長の野望」は相当やりこんだつもりですが、記憶にありませんし…。って、あ、釣り野伏せでやられた武将なんですね。

仙石権兵衛

熱い物語

このマイナー武将(だと思ってます)の仙石権兵衛秀久なのですが、脳みそ筋肉的な真っ直ぐな熱さを持つ漢(あえてこの字です)でなかなか面白いです。史実を見ても波乱万丈の人生なので、少年向け漫画の主人公に向いています。

漫画ではこのキャラクターを十分に生かしきれているのではないでしょうか。とても魅力的な主人公です。

武将の絵が楽しめる

センゴクには、織田信長や羽柴秀吉、徳川家康をはじめとして、有名な武将がたくさん出てきます。同時代の人なので当然なのですが…漫画上でのこの武将の顔が、センゴクという漫画の見所のひとつだったりします。

ロシアのプーチン首相や、サッカー選手のマラドーナなど、世界の有名人をモデルとした武将が出てくるので、気づくと思わずにんまりです。

マラドーナっぽい顔した武将が刀でリフティング始めるなど、登場武将のキャラクターとモデルの人物のキャラクターを重ねているところもあるので、歴史に興味のない人でも楽しめるのではないでしょうか。

戦略論組織論としても

戦略論や組織論としてもセンゴクは学びながら読むことができます。武将同士が争う中、硬軟様々の戦略が行きかいます。組織の統制方法も武将の個性によって様々です。

ビジネスマンにはもちろんですが、中学生なんかで部活動のチームをどうやってまとめていくのかにも学ぶところがたくさんある漫画だと思います。