• お勧め度: ☆☆(軽く楽しめます)
  • 対象年齢: 10歳以上(漢字が気にならなければ6もっと小さくても)
  • 初発表年: 1994年
喰いタン表紙

あらすじ

閑静な住宅地に『高野探偵事務所』の看板を掲げて居を構える高野聖也は、自他共に認める強烈な大食いである。大学の後輩である緒方警部の依頼で、様々な事件にその推理力を奮っている。一見クールな高野には、現場の証拠品である様々な食品類を食らうという困った癖があった。頭を痛める緒方警部。だが、それは事件解決のための高野独自の行動でもあった。かくして高野は様々な事件を解決に導いていく。
一方、そんな高野につき従う1人の女性がいた。名は出水京子。高野の本業は歴史関係の小説家であるが、彼女は(探偵と小説家の二足のわらじを履く)高野の秘書であり助手であった。緒方警部をはじめ様々な人物とともに、京子は高野の暴走に苦悩する毎日を送っている。京子や緒方の白い視線に対しても、喰いタン・高野はどこ吹く風。今日も必ず何かを喰い尽くし事件を解決する。

グルメ漫画でもあります

「喰いタン」というと麻雀を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、紹介するのは漫画です。ミスター味っ子や将太の寿司を書いた漫画家の描く探偵漫画...なんでしょうか。料理漫画の第一人者ということもあり、事件の謎を解く鍵が料理にあるのが特徴。

食材や料理に関する薀蓄で謎を解いていくので、そこから食事に興味を持って、食育的な役割も期待できる...かも?

ミスター味っ子や将太の寿司ほど大げさなグルメレビューは出てこないのですが、それでもなかなか美味しそうに食べています。出てくる料理も薀蓄につながることもあるためか、しっかりと考証されていて、実際に作っても問題が無い模様。

喰いタン

探偵漫画でもあります

主人公が探偵ということもあり、「喰いタン」は探偵漫画でもあります。とはいえ、上に上げた食に関する薀蓄ありきで、かなりの力技での事件解決が多いので、本格的な謎解きミステリーを期待する人には向きません。

でも、その分、頭を使わずに楽しんで読めるので、うちの子ども達も楽しんで読んでいます。

ギャグ漫画でもあります

謎解きの方法が強引だったり、主人公の高野 聖也がかなりの変わり者ということもあり、ギャグ漫画としても楽しめます。作品紹介でも「料理と推理とグダグダなギャグとの華麗な融合」と書かれているようですが、まさにそんな感じ。出水京子という主人公の助手はヒロイン焼くかと思いきや、主人公のボケに対するつっこみ役になってます。

ミスター味っ子や将太の寿司をセルフパロディしてみたり、主人公の高野 聖也もつっこみ役の出水京子も、寺沢漫画らしい素敵な顔芸を見せてくれます。

気分が悪くなるほどの悪役も出てきませんし、全体に軽いのりで、娯楽として気軽に読むことができる漫画です。