- お勧め度: ☆☆☆(続きが読みたいです!)
- 対象年齢: 6歳以上(少年漫画です!)
- 初発表年: 2002年

あらすじ
辺境の村に住まう少年、御風(ミカゼ)は「とんでもない脅威」に突如襲われた村を救ってもらうため、はるか東の絶壁に住むという『不老不死の 3人の魔法使い』を訪ねる。そこで出会った魔法使いの1人、アクアに実力を認められ共に村へと向かうが、その途中、不死であるはずのアクアは、些細なきっかけから突然死んでしまう。
すると死んだアクアの体は瞬く間に全く別の人物、ティトォへと「存在変換」する。彼らは1つの身体に3つの魂を共有し、死ぬたびに魂が入れ替わることで、生き永らえ続ける存在であった。
彼らは自分達を罪人と呼び、大地を滅ぼさんとする「女神」を倒し、自分らが犯した罪を償うために、100年以上の時を生き続け、そして死に続けていると語る。
程なくして、「女神」の配下を名乗る者がティトォの前に現れる。ここに不老不死の罪人達と女神との、大地の存在を賭けた戦いが、100余年の時を越えて始まった。
スケールの大きな話
「マテリアルパズル」の序盤を読んでいるとギャグバトル漫画家と思いきや、話のスケールがどんどん大きくなっていき、数百年にもわたる女神との戦いや星の運命をめぐる壮大な物語であることがわかります。
といっても、よくある少年漫画のように、バトルがインフレしていって、気がついたら敵も自分も強くなりすぎて壮大な物語になるわけではありません。壮大な物語は最初からずっと存在しているのですが、読者に見える世界が徐々に広がっていきます。最初は小さな村の危機を救う話から始まるのですが、それが星の運命を決める話へと、最初から世界観がきちんと作りこまれています。
ストーリー展開がすばらしい
小さな視点から星の規模への世界観の広げ方。過去から続く因縁。予想の斜め上を行く展開。主要キャラなのに100話以上も姿を現さなかったり...
決して行き当たりばったりのストーリー展開ではなく、さまざまな複線が張り巡らされていて、物語の流れを知った後で最初から読み返すと、新しい発見があったりします。
絵は正直微妙
正直、絵はあまりうまくありません。「マテリアルパズル」の壮大な世界観を描くには残念な気さえします。でも、読んでいるうちに気にならなくなってきます。
序盤の展開や序盤の絵だけで読み進めるのをやめてしまうのはもったいないので、まずは5巻まで読んでほしい漫画です。

独特の世界観
基本はファンタジーバトル漫画なのですが、細かな設定が男児の心をくすぐるというか、中二心をくすぐるというか、オリジナリティあふれ、すばらしいです。
まず、登場人物の扱う属性は漢字一文字であらわされます。ティトォの「活」とかアクアの「壊」とか。D&Dなどの影響というかアリストテレスの影響というか、地水火風の四大エレメントをベースとする創作が多いのですが、ここもまた独特です。
漢字×魔法
使われる魔法や技は「超覇導天武刻輪連懺吼」やら「仙里算総眼図」やら、封神演義の世界の宝貝とか妖術と近いというか、中二病っぽいというか。
ギャグっぽい名前の「スパイシードロップ」とか「パイナップルフラッシュ」という名前の技がやたらと強かったりして、これもまた、なかなかぶっ飛んでいます。
第四章、出ないんですかね
「マテリアルパズル」は2008年に3章に該当する「マテリアル・パズル 〜彩光少年〜」が発表され、その後、0章の「マテリアル・パズル ゼロクロイツ」が2012年に終了してから、すでに4年、第四章が出ていません。
マテリアルパズルの本編として、中途半端な状態ですので、これは何とかしてほしい。最終決戦から2年後と「マテリアル・パズル 〜神無〜」として書くはずだったのに、どうなってしまったのでしょうか。続きが読みたいです...