• お勧め度: ☆☆(熱いです)
  • 対象年齢: 10歳以上(暴力描写は好き嫌いがあるかも)
  • 初発表年: 1998年
ROOKIES

内容

二子玉川学園高校(通称ニコガク)へ赴任してきた新人教師・川藤幸一(かわとうこういち)。そこで彼が出会ったのは部員の起こした不祥事により活動停止中の野球部。かつては春のセンバツ甲子園出場まで果たしていた伝統ある部も、現在では不良達の溜まり場と化し、部員達は自暴自棄になっていた。 そんな部員達の心の奥底に残る情熱を見抜いた川藤は野球の「や」の字も知らなかったが、自ら顧問となって野球部の再建に乗り出す。初めは川藤を馬鹿にしていた不良部員たちであったが、次第に彼の親身になって自分たちと向き合おうとする態度に動かされ、様々な試練や逆境に見舞われながらも一致団結して夢の甲子園を目指し奮闘していく。 しかし川藤には、以前赴任していた学校で更生させようとした不良生徒に重傷を負わせてしまい、辞任した過去があった。

熱血教師による不良更正物語

ドラマ化や映画化もされた「ROOKIES(ルーキーズ)」。中身を一言で言ってしまうと、熱血教師による不良更正物語。熱血教師の下、不良達が野球を通じて更正して甲子園を目指していきます。

と、一言で言ってしまうと、古くはスクールウォーズにあるようなありきたりな物語のようですが、熱血教師川藤の熱さと、一人ひとり掘り下げられていく不良少年達に知らず知らず引き込まれていきます。

熱血教師川藤

ベタベタのストーリーなのに、それを面白くするのが熱血教師の川藤。口先だけでなく、体を張って全身全霊で生徒と向き合い、常に前向き思考な川藤。実際に身の回りにいたら、ウザいだろうなぁとすら思ってしまうキャラクターなのですが、このキャラクターだからこそ不良生徒達の心を動かします。

理不尽なことは認めない正義感、相手チームだろうがどんな身なりをしていようが関係ない生徒への思いやり、熱く伝え続ける「夢を追い続ける」こと。漫画上での最終戦は、こんな先生だからこそ、近くにいるだけで生徒達に力を与えられたのだと思います。

川藤

組織はリーダーで変わる

僕自身の仕事柄、多くの組織を見てきましたし、子ども三人の学校や習い事、部活動を見ていても思いますが、組織というのはリーダーしだいで大きく変わります。

都大会に出場し、全国大会にも出たことがあるはずの長男の卓球部は顧問の先生が移動した直後から弱体化し、都大会に出ることなど夢のまた夢になってしまいました。次男が通うサッカーチームは普通の強くも弱くも無いチームだったのが、昔プロを目指していたという一人のコーチの加入でいつの間にか地域で一二を争う強豪チームになりました。

ルーキーズの世界でも、川藤先生がいたからこそ更正でき、強くなれたのだと思います。漫画ならではの非現実的な先生ではありますが...うちの子達にもこういう熱い先生との出会いが会ってほしいものです。

最後が駆け足なのが残念

ROOKIESの連載中、作者が体調を崩したために終盤はかなり休載が多くなりました。休載が続くと掲載順位も低くなり、もっと続いてもおかしくない漫画だったのに終了してしまいました。

TBSでドラマ化されるときに、放送回数未定で1クールなどの期間に囚われないドラマ進行をしていくという話だったのに、結局は1クールで終わってしまいましたし、甲子園にいくまでをもっとじっくり描いてほしかったなぁ。

ただ暴力描写は...

ただ、気になるのは暴力描写。不良が更正していく漫画なので、ストーリー上必要といえば必要なんでしょうが、気になる人には気になるかと。