- お勧め度: ☆☆☆(音楽やる人には是非!)
- 対象年齢: 10歳以上(熱い!)
- 初発表年: 2013年

ストーリー
主人公はバスケ部に所属する宮本 大。
中学の時、友人に連れられて見に行ったジャズの生演奏に心打たれた。
その後、たった独りでただがむしゃらにテナーサックスの練習をはじめる。
ダンクシュートを打つ身長も、ジャンプ力もない。
身体には限界がある。
でも音にはきっと………
楽譜は読めず、スタンダードナンバーも知らない。
ただひたすら真っ直ぐ突き進んでいく。
「絶対にオレは世界一のジャズプレイヤーに、なる」。
雨の日も猛暑の日も毎日毎日サックスを吹く。
初めてのステージで客に怒鳴られても。
それでも大はめちゃくちゃに、全力で吹く。
「僕好きだな、君の音」。
ものすごくめちゃくちゃな演奏。
でも、人を惹きつける力が大の音にはある。
激しく変わる。激しく成長する。
ジャズに魅せられた少年が世界一のジャズプレーヤーを志す物語。
ジャズが聞きたくなる
ジャズなんて、たまたま流れていたラジオで耳にしたくらいしかないおっさんですが、「BLUE GIANT」を読むとジャズを聴きたくなります。そして、楽器を演奏したくなります。音なんて気にしなくていい田舎の一軒家でスピーカーの音をでっかく鳴らしながら、自分も合わせて演奏。。。って良い老後かもしれないなぁ。
でも、サックスは簡単に吹けるものなんですかね?金管バンドとか吹奏楽部にはいっていた弟がいたので、弟の楽器を借りたことはありますが、トランペットは音を鳴らすことすらできませんでした。
絵なのに音が聞こえてくる
さて、漫画の話に戻ると、「BLUE GIANT」のすごさのひとつは絵です。前にも紹介したましろのおとと同じように、漫画にもかかわらず絵が聞こえてくるようです。
といっても、民謡と違ってジャズの曲はわからないので音の出る圧力を感じるだけ。知らない曲はyoutubeで探しながらになりますが。でも、この絵とか気持ちよさそうですよね。

まっすぐな熱さ
「BLUE GIANT」は主人公の宮本大の熱さも凄い。スポコンもの漫画なんかにあるような熱さがあります。まっすぐにひたむきにジャズに取り組む宮本大の熱さが、周囲の人たちや熱さを忘れかけてライスワークになりつつある年長のジャズプレイヤーへと伝播していきます。
こういう真っ直ぐな熱さをなくしてしまったおじさんとしては、まぶしいようなうらやましいような。うちの子をはじめとし、クールといわれる今時の若者にこそ、こう熱くなれるものを一度は見つけてほしいものです。
リアルな音楽
あと「BLUE GIANT」で面白いのがお金にまつわるリアルな音楽事情を描いている点です。真っ直ぐな熱さと相反するようですが、現実は必ずしも楽ではありません。
寮に入っていた大学時代、バンド活動に明け暮れて大学中退してバンドマンを目指していった友達がいるんですが、食べていくのは相当大変だったようです。そこそこ才能があったのか、努力が半端でなかったのか、彼はスタジオミュージシャンなんかもしていましたが、30代後半で音楽の道をあきらめてしまいました。
ジャズマン目指す登場人物たち、バイトをしながらなけなしの出演料をもらってなんとか生計を立てています。才能あふれる人たちのようですが、それでも大変なんです。
父親として子どもの将来を気にする側になった今、夢は追いかけてほしいけれど、現実も見据えてほしいとも思います。「BLUE GIANT」の宮本大がこれからどうやって成功していくのかわかりませんが、下積みの厳しい生活をしっかり描いてくれているところがありがたいです。