• お勧め度: ☆☆(一度はどうぞ)
  • 対象年齢: 6歳以上(王道です)
  • 初発表年: 1994年
七つの大罪

あらすじ

人間と人間ならざる種族の世界が分かたれていなかった古の時代、ブリタニアの大地を舞台に、七人の大罪人から組織された伝説の騎士団〈七つの大罪〉の戦いを描く。
リオネス王国奪還篇
ブリタニア随一の大国・リオネス王国は、聖騎士達による『聖戦』のための軍備強化、更に増長した彼らの横暴によって荒れに荒れていた。十年前に聖騎士長殺しの濡れ衣を着せられた伝説の騎士〈憤怒の罪〉のメリオダスは、身分を隠して移動酒場を営んでいた折、自らに救国の助命を乞う第三王女エリザベスと出会う。片や冤罪の真実を知るため、片や母国を救うため、喋る豚ホークをともない、散り散りになったメリオダスの同胞である伝説の騎士団〈七つの大罪〉の行方を探し求める。旅の末、やがて〈嫉妬の罪〉ディアンヌ、〈強欲の罪〉バン、〈怠惰の罪〉キング、〈色欲の罪〉ゴウセル、〈暴食の罪〉マーリンが二人と一匹の元に集まった。六人まで結集した〈七つの大罪〉は、十年ぶりに戻った王都において、濡れ衣を着せた真犯人である、魔神族復活を目論む聖騎士長ヘンドリクセンと決戦。すべての名誉を回復した六人は、エリザベスとともに英雄としてリオネスに帰還する。
十戒篇
ヘンドリクセンを影で操っていた魔神フラウドリンの目論見によって、三千年前に封印された魔神族の精鋭〈十戒〉が復活し、瞬く間にブリタニアを侵略。しかし、最後の仲間である〈傲慢の罪〉エスカノールと合流した〈七つの大罪〉をはじめ、キャメロット王国の若き王アーサー・ペンドラゴン、そしてブリタニアの住人たちは叛逆の炎を絶やさず、圧倒的な力を持つ魔神族からブリタニアを取り返すために戦いを挑む。

気軽に読める漫画

「七つの大罪」の良いところは難しいことを考えずに気軽に読める漫画だというところでしょうか。それに、こういったファンタジーの世界は子どもが大好きな世界じゃないでしょうか。

近頃はやたらとメッセージ性が強かったり、心理バトルというか駆け引きが多くてついて行くのに頭を使ったり、登場人物がやたらと重いものを背負っていたり、なかなかストーリーが進まなかったり...と気軽に読めない漫画が多いのですが、エンターテイメントとして、娯楽作品として気軽に読める漫画です。

メリオダス

王道といえば王道

お姫様がたまたま助けを求めに駆け込んだ料理屋が探している人が経営する酒場だったり、誰にも抜けなかった剣を抜いてみたり、主人公が仲間探しをする物語だったり、死者に会いに行ったり、武道会で仲間同士が戦ったり、修行というか試練を経て隠された力が開花したり...「七つの大罪」ではどこかで見たようなことがあるようなベタベタな展開がどんどん出てきます。

でもって、剣と魔法でどんぱちしていくという、おじさんには恥ずかしくなるほどのベタな要素がてんこ盛りです。でも、はじめてみる子どもたちには新鮮な様子。変にひねくれた作品も多い時代ですが、王道のファンタジーの入門としてもいいのではないでしょうか。

セクハラが気になる

ただ、気になるのがセクハラ描写。鬼太郎ヘアのナイスバディなヒロインがいるのですが、ヒロインへのセクハラがひどい。お尻もんだり胸もんだり。

「俺がやりたいー」じゃなくて、このセクハラの多さは子どもに見せるのがためらわれるほど。そんなセクハラ大好きな子どもに育ったら困るし...セクハラ描写がなくても十分面白いと思うので、是非、何とかしてほしいところ。

インフレも気になる

メリオダスをはじめとし、主人公チームは最初からレベル90くらいの圧倒的な強さを誇っています。弱い主人公が徐々に強くなっていく物語が多い中、序盤は強さゆえの爽快感があります。

ただ、強すぎると話の展開が難しいのか、今度はもっと強い敵が出てきます。その強い敵も、超神水じゃなくてドルイドの修行を経ることで、また圧倒してしまうので...このままだとトリコ並にインフレしていくのではないかと少々心配。

でも、まぁ、よく似た物語のドラゴンボールはそのまま宇宙規模の戦いへインフレしていったので、おなじ道をたどるのかなぁ。