• お勧め度: ☆☆☆(続きが気になる!)
  • 対象年齢: 10歳以上(大人も楽しめる少年漫画)
  • 初発表年: 2013年
BIRDMEN

ストーリー

 中学生の烏丸英司は、鴨田、鷺沢、つばめと共にバス事故に巻き込まれて以来、身体から翼が生える“鳥男”となる。鳥男の先輩・鷹山の指導の下、5人は鳥部を結成。鳥部は生物学者の龍目を仲間に加え、次第にさまざまな能力に目覚める“鳥男”の謎の解明に挑みつつ、特殊な能力を使って活動を広げる。
 やがて烏丸たち鳥部に、鳥男(セラフ)を研究する組織EDENが接触を図ってきた。一方、アメリカの鳥男・アーサーは謎の人物・スカイに導かれて施設から脱走。施設に囲われている仲間のセラフたちを次々に解放していくが、一団はEDEN本部の企てにより襲撃されてしまう。瀕死のアーサーと遭遇した鷹山はその後突如失踪。アーサー亡き後、世界唯一の先導者(べルウェザー)となった烏丸は、仲間と力を合わせて失踪した鷹山を呼び戻そうとする。
 EDENで製作されたADAMⅡ型クローンのフォックスは、EDENを出て烏丸たちに接触し、自らとEDENの秘密を次々と暴露する。その目的は、セラフを使って人類を滅ぼそうとするEDENの目論見を阻止し、セラフたちを護ることだという。烏丸はセラフたちが排除されない世界を目指す覚悟を決め、フォックスたちもみな新しい世界に連れて行くと約束し、契約を結ぶ。だがその裏で、EDENからEVEⅢ型クローンの3人が脱出し、世界各国で不穏な動きを見せ始める…。
 単調な中学生活から一変、予期せぬ出来事と秘密がいっぱいのSF×青春ジュブナイル!!

出だしは暗いです

「BIRDMEN」は、コンプレックスむき出しの中学生烏丸英司が主人公の物語です。実質的な母子家庭で母親とうまく行かず、中学受験をやめて公立高校へと進んだ主人公。頭は良いものの、運動能力や容姿に強いコンプレックスがあり、コンプレックスの裏返しで周囲を見下す傾向もあって、周囲とうまくいきません。少年期を過ぎた大人の目から見ると、リア充への憧れや、女子への憧れなど中学生らしい少年なのですで、本人にとっては切実な問題で僕にも見に覚えがあります。

「BIRDMEN」の物語はこの少年の苛立ちや心の声から始まります。うちの長男は、烏丸英司とは少し違いますが、中学受験失敗組なので、この物語の出だしが読むに耐えなかったそうです。目をそらしたい自分が底にいたのかもしれません。

少年漫画って明るい主人公、むしろ能天気とすらいえる主人公が多いのに、内向的な主人公でどうなるかと思いましたが...この主人公の成長が徐々に変わっていきます。

少年から人外へ

一般的にこういったジュブナイルストーリーは少年が大人へと成長していく話が多いのですが、「BIRDMEN」でも少年少女が成長していきます。ただし、大人...ではなく、人間を超えた存在へと。

成長のきっかけは自動車事故で命を落としかけたことでした。そこでであった鷹山の血を飲むことで、鳥男と呼ばれる羽の生えた人間へと変わります。そして、鳥男としての能力を開花させ、覚醒していく中で、今までの自分とは違う視点をも身に着けていくのです。普通の子が、子どもの視点から少年の視点、青年の視点、そして大人の視点へと違う視点を持つように。

そして内向的だった少年が、精神的にも物理的にも羽ばたいていきます。

中学校から世界へ

物語は、鳥男としての人間にはない能力や視点を身につけていきながら地理的にも展開していきます。この作者のデビュー作は限られた地域で展開する話でしたが、「BIRDMEN」では中学校から世界へと。

といっても、連載中の作品でもあり、世界へは飛び出したばかりですので今度、どう展開していくのかはわかりません。

コミックスで読みたい本

上のほうに書いたように、「BIRDMEN」の話の展開はとてもゆっくりです(よく言えば丁寧)。週刊誌で月一回連載されているのですが、丁寧に物語が進んでいくので、正直、週刊誌向きの話ではない気がします。

コミックスも1巻、2巻だけだと正直あまり面白くありません。これから手に取る方には、物語の世界がわかってきて、さらに広がっていく5巻くらいまで読んでから判断してほしい漫画です。話が進むごとに面白さが増していきます。

続きの気になる漫画

そして、面白くなってくるのですが...話が丁寧な上に、月一連載のためになかなか続きが読めません。早く続きが読みたいです!(って、最新の9巻が来週発売だ!)