- お勧め度: ☆☆☆(柔道漫画の最高傑作)
- 対象年齢: 10歳以上(柔道やる子ならもっと小さくても)
- 初発表年: 1985年

あらすじ
岬商業高校に進学した三五十五(さんごじゅうご)は、ふとした興味から柔道部を見学(仮入部)したところ、新入部員歓迎のしごき「セッキョー」で地獄を見る。これに憤りを感じるが、負けん気の強い三五は柔道を続けることを決意する。そして三五は必殺の背負い投げを会得し、岬商の救世主となる。
メダリストも愛読
柔道部物語は吉田秀彦、古賀稔彦、野村忠宏といったオリンピックのメダリストも愛読していた柔道漫画です。柔道経験者でもある作者が、楽しみながら書いていた様子が伝わってきます。
体育会系部活のあるあるネタコメディ路線として始まった漫画ですが、やがて主人公の三五十五が日本一を目指していく本格柔道漫画へと変わっていきます。そして、その背景にはオリンピックメダリストの古賀稔彦からのファンレターが関係していたとか。

柔道未経験者でも面白い
柔道を経験した人が柔道の漫画を読んで面白いのは当たり前なのですが、柔道部物語は柔道未経験者でも楽しめる魅力がたくさんです。
主人公をはじめ、魅力的で個性的なキャラクター。挫折と成長というスポーツ漫画のセオリーともいえるストーリー。テンポのよい展開に、ところどころ差し込まれるギャグ。迫力の柔道シーン。
実際、当時はこの漫画が柔道ブームを引き起こしましたし、子どもが柔道に興味を持ってもらうためにも使える漫画かもしれません。ただ、うちの子は漫画としては楽しんだものの「汗臭いんでしょー。それに、痛そうだし、ヤダ」と負の面が伝わってしまったようですが。
昔の体育会運動部
物語の序盤、仮入部ではやさしかった先輩が、仮入部期間が終了するといきなりしごきに入ります。僕が入っていたのは違う部活でしたが、おんなじ様なことがありました。まぁ、伝統と称して僕も後輩達に同じ子としていたんですが。
ちなみに、長男の通う中学校ではそんなことありえないとのこと。そんなことしたら、みんな部活やめるそう。25年も前の漫画ですし、時代は変わりました。今も、岬高校では「セッキョー」やっているんですかねぇ。
時代は変わりましたが
そうそう、時代は変わりましたが、同じ作者が女子柔道に舞台を移して2016年から柔道漫画を連載中です。女子柔道金メダリストの恵本裕子さんが原作だとか。こちらも要チェックです!