- お勧め度: ☆(最初は面白いんですが...)
- 対象年齢: 6歳以上(怪異が好きな子に)
- 初発表年: 2008年

あらすじ
奴良リクオは一見はごく普通の中学生だが、実は彼は妖怪「ぬらりひょん」の孫で、4分の1妖怪の血を継いでいる。祖父の組「奴良組」の妖怪達と毎日どたばたと付き合いながら、何とか普通の生活を送っている。
リクオは幼い頃、祖父から色々と武勇伝を聞かされ、妖怪とはかっこいいものであると思っていた。しかし、ある日友人との会話から、妖怪が人間から馬鹿にされる悪い存在であることを知ってしまう。そんな中、妖怪に襲われた友人達を守るために自身の妖怪の血を覚醒させ、友人達を救い出す。だが、4分の1しか妖怪の血を継いでいないリクオは1日の4分の1の時間しか妖怪の姿になれなかった。
そして4年後、中学生になったリクオは人間としての生活を望んでいたものの、組を統率するために妖怪の世界と向き合っていくことになる。
頼もしい妖怪たち
「ぬらりひょんの孫」の主人公は、そのタイトルのとおり、水木先生によって日本妖怪の総大将に祭り上げられた妖怪ぬらりひょんの孫です。
その血の四分の三が人間だからなのか、妖怪にもかかわらず、人間を守る方向にベクトルが向かいます。妖怪の力を持ちながら、人間を守るために戦う姿...元は人間でありながら鬼の手を持った、地獄先生ぬーべーと近いところがあるかもしれません。人間にとってはとても頼もしい味方です。
人間の味方でもある、主人公のリクオやリクオを慕うその配下の妖怪たちは親しみやすく頼もしく格好いい妖怪として描かれているので妖怪好きとしてはうれしいです。
序盤は...
「ぬらりひょんの孫」も序盤は中学校生活と同級生たちによる「怪奇探偵団」を中心に話が進みます。このあたりも、地獄先生ぬーべーと近かったかも。
特に女性キャラがかわいいのも、個人的には高評価です。

バトル路線に
で、途中からバトル路線に行くのですが、正直、この路線が微妙...。
ぬらりひょんという妖怪の、無銭飲食につながる存在感のなさというか、つかみどころのなさを戦闘技にまで高めているあたりはなかなか面白いなぁと思って読んでいたのですが、途中から着いていけなくなります。
キャラクターの技やパワーアップしている様子が良くわからないんです。作者の中では完結しているんでしょうけど、たとえば上に張った「鬼纏(まとい)」とか、読んでいる限りはポカーンという感じでした。
ストーリーにおいも、突然、特定のキャラクターの過去話が始まったり、父親の話が出てきてきたりと、時空を飛んで読者を置いてけぼりにしていくような場面がちらほらと出てきてしまいます。
残念な形に
それでも評価する方も多かったのでしょう。単行本は累計1100万部を超え、アニメ化もされました。
でも、最後はジャンプ本誌から別の雑誌へ移籍し、打ち切りの形で連載終了。最終決戦もなんだか中途半端でよくわからないうちに勝利して終わっていました。全体に主人公のキャラクターばかり目立っていて、周辺キャラクターの影が薄いのも残念。
後一歩あれば、名作になったと思うのですが、正直、消化不良な漫画です。
コミックスも一ケタ台の頃は面白かったんですけどねぇ...