- お勧め度: ☆(もやもやが残るかも)
- 対象年齢: 10歳以上(ダークファンタジーです)
- 初発表年: 2014年

あらすじ
違法希少種(イリーガル・レア)と呼ばれるもその珍しさゆえに狩りの対象になり更に珍しくなっていく幻獣たち。彼らを守るため警察内に希少種犯罪対策課が発足。治安の悪い犯罪都市・スカァシティを舞台に黒吸血鬼・アクセルが躍動する。
西洋の妖怪たち
同じ作者の「ぬらりひょんの孫」は日本の妖怪をベースにした物語でしたが、「ILLEGAL RARE」は西洋の妖怪をベースとした物語(幻獣と呼ばれてますが)。また、前作がやくざ組織を舞台としたものでしたが、こちらは警察を舞台にしたものと、前作と違うアプローチで書こうとした作品のようです。
残念ながら打ち切り
前作の序盤同様、「ILLEGAL RARE」も結構面白いなぁと読んでいたんですが、残念ながら4巻で数々の謎を残したまま打ち切りになってしまいました。
吸血鬼ハンターDじゃないですが、妖怪たち(幻獣でしたっけ)とそれを狩るハンターたちの戦いというのはテーマとして面白いと思うのですが、この漫画も何か一歩足りなかったのでしょう。見所であるはずのバトルは吸血鬼が強すぎるし、黒幕が組織内にいるというありがちなパターンでスモンね...
週刊誌での漫画連載というのはなかなかシビアなものです。できれば、もう1巻分くらいがんばって書いてもらって、もうちょっときれいに終わらせてほしかったんですが。
最大の謎、フクメン
妖怪たちが違法希少種と呼ばれ、狩りや収集の対象となっている世の中。そういった行為を違法とし、自然保護官的に保護活動を行う集団が主人公たちが属する希少種犯罪対策課です。
さまざまな生物を絶滅に追いやってきた人類へのアンチテーゼなんでしょうか。保護活動を行う犯罪対策課の中に、人間が一人しかおらず、妖怪たち(幻獣でしたっけ)自らが警察権力を傘に実力行使しようというのが不思議な感じです。
課長であるフクメンの正体が明らかになれば、このあたりの謎も解決するんでしょうが、謎を謎のまま打ち切りになってしまったので正解はわからずじまいです。
最強の幻獣:吸血鬼
まぁ、でも、吸血鬼という種族が最強の幻獣として描かれていて、実際、段違いに強いのは、強い妖怪が好きな人には爽快です。やり方がえげつなく、ダークファンタジーではありますが、悪が裁かれるのはスカッとします。
青とか赤とか緑とかいろんな色の吸血鬼がいたようなので、それぞれの能力の違いや本当はどんな展開にしたかったのかも気になります。
そんなこんなで、少々もやもや感も残りますが、西洋妖怪好きなら一度読んでも損はないかも。