• お勧め度: ☆☆(名言がいっぱいです)
  • 対象年齢: 6歳以上(ゲーム好きなら入りやすい漫画)
  • 初発表年: 1989年
ダイの大冒険

あらすじ

かつて世界と人間は、強力な魔族である魔王ハドラー率いる魔王軍によって征服されようとしていた。しかし、勇者とその仲間たちによってハドラーは倒され、モンスターも魔王の支配から解き放たれ、世界に平和が訪れた。
それから十数年後。モンスターが平和に暮らす怪物の島「デルムリン島」で、勇者に憧れる、唯一モンスターでない少年ダイが、心優しい鬼面道士のブラスに育てられながら、ゴールデンメタルスライムのゴメちゃんを始めとする友達のモンスターたちと共に暮らしていた。
時に島に現れた悪い人間を撃退し、時にさらわれたゴメちゃんを助けに島を飛び出したりしながらも平和に暮らしていたが、ある日ゴメちゃんを除いた島のモンスターたちが凶暴化してしまい、ブラスから魔王の復活を聞かされる。狼狽するダイだったが、そこに勇者の家庭教師を名乗る謎の人物アバンとその弟子の魔法使いポップが現れ、島を結界で覆いモンスターたちを魔王の支配から救うと共に、ダイを弟子にして、秘められた力を開花させていく。
しかし、そこに復活したハドラーが現れ、アバンがかつて魔王を倒した勇者であること、自身がハドラーを超える力を持つ大魔王バーンの力で蘇り、再び地上を制圧するために新たな魔王軍が編成されたことを語り、アバンとその弟子たちを殺そうとする。
アバンは弟子を護るために自己犠牲呪文(メガンテ)を使うが、ハドラーは辛うじて生き残る。絶体絶命の窮地の前に、ダイの額に奇妙な紋様が浮かぶと、謎の力が解放されてハドラーを撃退した。その後、アバンの遺志を継いだダイは、ポップと共に大魔王を倒すことを決意し、デルムリン島から旅立っていく。

ゲーム ドラゴンクエストの世界

「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」はRPGゲームの大ヒットシリーズ「ドラゴンクエスト」の世界観を背景にした漫画です。ドラゴンクエスト4の発売に合わせたメディアミックス戦略の一つだったとか。

世界観を背景にしていると入っても、魔王を倒すといった冒険の目的や共通した魔法が出てくる程度で、ストーリー自体はまったくオリジナルです。オリジナルシリーズが大好きだった少年時代、リアルタイムでこの漫画を読んでいたときには「ドラゴンクエストって言ってる癖に、全然ゲームと関係ないし、闘気とか魔法力とかってなんだよ」と食わず嫌いの漫画だったんですが...いやいや、これも名作です。

ポップ

ポップがいい!

「ダイの大冒険」は、そのタイトルどおりメインの主人公は勇者ダイです。正義感が強く、前向きで、能力も強い、誰もがあこがれる勇者。でも、実はダイのパートナーでもあるポップが主人公ともいえるくらい、ポップがいいです。

初登場時のポップは自尊心だけが強いへたれで自己中心的で、修行からも敵からもすぐに逃げ出し、子ども心に「なんでこんなだめ人間が主人公チームにいるんだろう」と思ったものでした。でも、そんなポップが冒険を通じて成長していきます。精神的にも魔法の能力的にも。

成長してからも迷い続けるポップですが、このポップって僕らのような一般人の代表なんですね。ポップという名前も通俗とか大衆という意味のpopがその由来だそう。一般人でも勇気を振り絞って困難に立ち向かうことで成長できることを教えてくれる気がします。

wikipediaによると、連載当初は編集部から「こいついらないから、早く殺せよ」とまで言われていたキャラのようですが、最後まで読むとポップの成長がこの漫画一番の見所だと思います。悩みつつ成長していくポップの周りには名言もたくさんですし。

ポップのキャラクターは最近の漫画で言うと、ワンピースのウソップ見たいといえばわかるでしょうか。超人だらけの中、普通の人が成長していくんです。

敵も成長します

もちろんポップだけでなく、ダイやヒュンケル、マアムといった主人公チームにみんなが成長していきます。でも、成長するのは主人公チームだけじゃないんです。

偽勇者として詐欺を働いていたチームも出てくるのですが、この偽勇者たちですら成長しますし、特にマゾッホという魔法使いはポップの成長に欠かせません。

さらにさらに、適役の魔王ハドラーまでもが勇者たちと切磋琢磨する中で成長していきます。ダイの大冒険はキャラクターたちの成長の物語なんです。

アバンストラッシュ

技がいい!

あと、忘れてはいけないのが技。子どもにとってはちょっと特徴がありつつも簡単に真似できる技がいいです。「アバンストラッシュ」「大地斬」「地雷閃」など、傘や物差し、ほうきを振り回して起こられたのも良い思いでです。

魔法にもオリジナルの魔法が多いですが、中には後にゲームで採用された魔法もあります。かつての僕のように、ドラクエのゲームシリシーズ原理主義者には受け入れがたい点もあるかもしれませんが、いい漫画です!