• お勧め度: ☆☆(今の子には微妙かなぁ)
  • 対象年齢: 10歳以上(ロト物語好きなら)
  • 初発表年: 1991年
ロトの紋章

あらすじ

かつて大魔王ゾーマを倒したロトの名を継ぐ勇者アレルの子、ローランとカーメンがアレフガルドより帰ってきた。彼らは地上で自らの国を築き、2つに分かたれたロトの紋章を代々伝えてきた。また、アレルと共に旅をした3人のケンオウ(剣王=戦士フルカス、拳王=武闘家フォン、賢王=賢者カダル)もまた、いずれ現れるであろう闇に対抗するため、子孫にその技を伝承していた。
ゾーマが倒れて100年。世界は異魔神という更なる闇によって脅かされようとしていた。
魔王軍に襲われたカーメン城は陥落してしまうが、産まれたばかりの王子であるロトの子孫アルスは家臣の手により救出され、魔のものの近づけぬ聖域へとかろうじて逃げ延びる。カーメンの王子の懐柔に失敗した魔王軍の襲撃を受けたローラン城も陥落し、産まれたばかりの王子は邪の名前を与えられ、異魔神の配下・魔人王ジャガンとして育てられてしまう。
アルスが聖域に匿われて10年の月日が過ぎた頃、聖域にも魔王軍の魔の手が及び始める。アルスは異魔神を倒すため、3人のケンオウの子孫を探すために仲間と共に旅立つ。

もうひとつのドラクエ漫画

ゲーム「ドラゴンクエスト」を舞台にした漫画といえば、ダイの大冒険がメジャーですが、ゲームも出したエニックスによる漫画化がこの「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」です。

ロトの紋章の世界は、DQ3の世界地図そのままですし、時代的にもDQ3とDQ1の間のストーリーなので、ダイの大冒険と比較をすると、よりゲームの世界を残した漫画です。それでも、ドラゴンクエストシリーズの正史には入っていないんですが。

どちらかというと大人寄り

「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章」は、ゲーム「ドラゴンクエスト」の1から3までを楽しんでいないと、世界観を含め、十分に楽しめない点もあるかもしれません。

掲載誌が大人をターゲットとしていたこともあり、絵柄や登場人物が容赦なく死んでいくストーリーもダイの大冒険よりは大人寄りといった感じです。主人公ですら命を落としますし、主人公の師匠であるルナフレアとか...。

ストーリーは王道

ストーリー自体はゲームのドラゴンクエストのような王道ストーリーです。勇者の血を引く主人公が3人のケンオウ(剣王、拳王、賢王)を集め、さまざまな試練を通じて強くなり、魔王を倒します。特に引き伸ばしもなく、きれいにまとまっています。

そんなストーリーに味を添えるのが、ストーリーの要所要所で登場し、主人公と同じく勇者の血を引くジャガンというライバル。主人公である勇者アルスとジャガンとの最初の戦いでは、勇者アルスのあまりのへたれ具合が目も当てられないほどでしたが、周囲の支えもあって勇気を取り戻し、強くなっていきます。

全体を通じて、大どんでん返しや、あっと驚く展開はほとんどないのですが、なんていうんでしょうか、そういう点も含めてまさにドラゴンクエストな漫画です。

合体魔法

合体魔法!

この漫画の中で、オリジナル要素ではあるのですが、個人的には合体魔法が好きです。当時、風の魔法バギと炎の魔法ギラを組み合わせたバギラなどを見て、自分なりの合体魔法をいろいろ考えて、自由長の片隅に空想した記憶がよみがえります。 われながら空想大好きな子でした。


続編も出ていますが

前作から四半世紀をあけた2004年からは、「ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 〜紋章を継ぐ者達へ〜」という続編も連載されています。

何か大人の事情があったのか、続編では「ドラゴンクエスト」の要素が薄まっている気もしますが、これはこれで面白いです。というか、ゲームや前作が好きだったので惰性で読み続けている点もあるかもですが...