- お勧め度: ☆☆(現代っ子にもうけます)
- 対象年齢: 6歳以上(子どもから楽しめる!)
- 初発表年: 1994年

あらすじ
亡き父が残した日之出食堂を母と一緒に支える味吉陽一のもとに、日本料理界の重鎮、味皇こと村田源二郎が訪れ、そこで陽一の作ったカツ丼に驚くことになる。味皇に招かれた陽一は、スパゲティ勝負がきっかけとなり、料理人達との美味しい味を求めた勝負に挑戦していくことになる。
グルメバトル漫画
「ミスター味っ子」は、今も続く料理バトル漫画の原点ともいえる漫画です。主人公(味吉陽一)がいて、ライバル(堺一馬)がいて、悪の組織(味将軍グループ)と料理勝負をしていくという王道ストーリー。
主人公の味吉陽一は、時には一人で、時にはチームを組み、毎回毎回追い込まれながらも、最期には、様々な料理人を創意工夫の料理で打ち破っていきます。
この基本パターンを安心して読めると感じるか、ワンパターンでつまらないと感じるかでこの漫画の評価は大きく変わってくるかもしれません。
なんといってもリアクション
「ミスター味っ子」が有名になったのは何といってっも、そのリアクションでしょう。色やにおい、味を伝えることが出来ない漫画という媒体を使いながら、その味を読む人に伝えるために作者の寺沢氏が編み出したのがオーバーなリアクションでした。
(といっても、漫画版はアニメ版に比べるとおとなしいものです。僕自身、アニメから入ったので、原作を読んだときは正直拍子抜けでした。)
主人公の成長も
そんなオーバーリアクションゆえにギャグ漫画的な捉えられ方もする「ミスター味っ子」ですが、バトル漫画としてもなかなかです。
主人公の味吉陽一は料理勝負の前に相手の料理を食べてショックを受け、どうやってそれよりも美味しいものを作るのか悩みに悩み、そして、壁を乗り越えて相手に打ち勝ちます。ワンパターンといえばワンパターンなのですが、苦難に突き当たってもくじけずに打開策を探っていき、壁を打ち破って成長していく。そんな成長物語としても楽しめる漫画です。
やっぱりアニメ
でも、やっぱりアニメのほうが面白いかなぁ。アニメ版でのリアクションは口から光線を吐いたり、宇宙へ飛び出していったりと奇想天外なもの。ちょうど今(2016年2月)、アニマックスでHDリマスター版が放送されています。
漫画自体は30年も前の漫画なのですが、味皇さまを筆頭とするオーバーリアクションはうちの子どもたちにも馬鹿受けしています。作者自身も、アニメの表現を漫画に逆輸入したようなことを言っていた気がしますが、いや、アニメがいいです。
(って、主人公の声がコナン君と同じだったの知らなかった)
リアルを目指した料理
「ミスター味っ子」で取り扱う料理は、カツどんやミートソースといった庶民的な料理が多いのも特徴でしょう。
料理漫画の中では、比較的現実的なレシピが多いようで、ネット上でも再現レシピに挑む方がちらほらと見つかります。中には、考えるだけで不味そうなメニューもありますが...
続編も…
そして今、歴史漫画雑誌「週刊朝日増刊 真田太平記」(朝日新聞出版)にて、中学生の陽一が幕末へタイムスリップする外伝『ミスター味っ子 幕末編』が連載中。時を越えて復活して、時を越えて過去にさかのぼるとは...いったい、どうなることやら?