• お勧め度: ☆(面白いテーマなんだけど)
  • 対象年齢: 15歳以上(性的描写が気になる)
  • 初発表年: 2014年
オケラのつばさ

あらすじ

「このまま人類をのさばらせては地球が危ない!」と神々が人間をテストすることに。下界に降りた貧乏神は「世の中お金主義」だった翼の命を救う代わりに、彼の一番大事にしていたモノ――“お金”を使えないようにしてしまう。親の遺産&イケメンを武器にセレブ生活を送ってきた翼だが、お金ナシの0円生活に突入することでドン底人生に転落していくが…!?

貨幣経済や資本主義社会へのアンチテーゼ?

「オケラのつばさ」はお金が使えない生活を送る中で人類がどうやってすごしていくのかというドタバタコメディ...なんでしょうか。タイトルにあるとおりオケラ(=一文無し)になった翼くんが主人公の漫画です。

全体に中途半端

作者としては、資本主義的なお金が唯一の価値観という世の中に警鐘を鳴らしつつ、お金だけでない価値とかお金以外の価値をもっと見せたかった気がするのですが、そういったメッセージは弱いかも。

「お金がなくても何とかなる」と、主人公の翼が新たな価値観を手に入れたのは良いと思いますが、この漫画は打ち切りだったんですかね…唐突な終わり方でしたし、ギャグでいくのかメッセージを強く出したいのかも中途半端だった気がします。

性欲に

性的描写も気になる

後は気になるのが性的描写。連載されていたのが青年誌だから仕方が無いのかもしれませんが、不必要にアダルトな描写が差し込まれているように感じます。それさえなければ、もっと小さい子でも読ませて考えさせるのにいい漫画のようにも思えるのですが。

(というか、僕の身の回りにたまたまいないだけで、世の中には性欲に人生狂わされる人ってたくさんいるんでしょうか?)

お金を使わない生活って

でも実際、「オケラのつばさ」のようにある日急にお金が使えなくなることって、現代社会では可能性がゼロではないんですよね。アメリカ合衆国や中国がデフォルトを行うことによって、明日にでも貨幣経済の崩壊が起き、お金がただの紙切れに変わるかもしれません。

自分自身に限って言えば、出だしさえ何とかなれば完全自給自足でも生きていけるんじゃないかと思っています。罠猟の知識で動物を取ることはできるし、魚釣りもするし、野菜や米も育てたことあるし。実際、離島で数年暮らしてみましたが、子どもの学費さえ考えなければ現金収入なんてごくわずかで生活できると実感しました。

ただ、道具から作ったことがないので、ナイフとか釣り針とかが心配かなぁ。鹿革なめしてみたことも歩けど失敗したから衣服も心配だけど。子どもにも、さまざまな経験を通じてお金に頼らない生き方は身に着けてほしいと思います。